30 最近,高大連携の推進に伴い,大学教員が, 高校生に出前授業や進路セミナー説明会を行う 機会が増えています。大抵は,これから進路 を決めようとしている1,2年生が対象になり ます。私も年に5回ほど高校に出向いています が,当然ながら心理学に限らず様々な分野の教 員(専門学校や自衛隊の方など大学以外の関係 者も)が参加していますので,他の分野より心 理学に少しでも多くの高校生に興味を持っても らいたい思いで話しています。今回は,高校で の出前授業の一端を紹介させていただきます。 高校生に対する出前授業の目的 私が授業をするにあたって,一番心がけてい ることは,一人でも多くの高校生が心理関係の 学部に進学したいと思ってもらえるような話題 を提供することです。特に,本年度より公認心 理師の養成が始まったこともあり,例年より高 い関心を持っている高校生も多く,少し追い風 になっています。インターネットで公認心理師 のことを調べて,具体的な質問をする高校生も 少なくありません。質問に対しては,適切かつ 理解しやすいように話をする工夫が必要です。 出前授業は,50分間と大学の講義より短くなっ ています。そのため私は,具体的にイメージし やすく,そして高校生が参加しやすい楽しい授 業を目指しています。 高校生は心理学をどう捉えているか 最初に,「心理学って,どんな勉強をすると思 いますか?」と質問すると,「カウンセリング」 や「心を研究する」という声が圧倒的です。多 くの高校生は,「心理学」イコール「カウンセ リング」と思っているようで,漠然とカウンセ ラーになりたいと考えているようです。大分県 は,震災や北部九州水害などに遭遇したことも あって,「こころのケア」に注目されているこ とも一因かもしれません。高校には,スクール カウンセラーが配置されており,実際にカウン セラーと接する機会もありますが,仕事内容ま では詳しく知らないようです。身近なカウンセ ラーがどんな仕事をしているかなど雑談で触れ ると興味を持って授業に参加してもらえます。 卒業後の進路と,取得できる資格の説明 高校生と保護者は,心理学を学んだ後の進路 に興味を持っています。給料は?勤務形態は? など様々なことを知りたがっています。なので, 授業の初めのほうで,本学大学院を修了して病 院で臨床心理士として勤務している修了生の仕 事の内容を紹介します。例えば,外来患者への 心理面接や発達支援,鑑別診断補助としての心 理検査,精神科デイケア,アウトリーチなどを 挙げて丁寧に説明します。事前に修了生に「大 学の時に特に勉強したこと」などを聞いてお き,生の声を高校生に届けるようにしています。 心理学を学んで取得できる資格の説明も必須 です。学部4年で認定心理士を取得でき,大学 院2年で臨床心理士や公認心理師の受験資格を
高校生が心理学に
魅力を感じる授業とは?
別府大学文学部人間関係学科 教授矢島潤平
(やじま じゅんぺい) 学部 4 年間 法律で定められた科目等を取得 (公認心理師の資質,心理学概論など) 認定心理士の取得 A B 修了 公認心理師の試験 卒業 臨床心理師の試験 年 1 回以上実施 配点の 6 割取得で合格 (2019 年 2 月時点) 年 1 回以上実施 例年,受験生のおよそ 6 割が合格 大学院 2 年間 法律で定められた科目等の取得 (臨床心理学特論,心理実践実習など) 病院等での勤務 公認心理師専門のプログラムの実施 2∼3 年 図 1 心理学の資格取得の説明スライド31